個人差のある痛みに
向き合う病院
無痛分娩で安心出産
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無痛分娩とは
出産方法には自然分娩や帝王切開以外に無痛分娩という選択肢があります。
最近では無痛分娩を希望する妊婦さんが増えています。現在日本では8.6%(※2022年)の方が無痛分娩を選んでいます。
当院では、経膣分娩で出産された方の25%、つまり4人に1人が無痛分娩を選択されています。
無痛分娩とは、硬膜外麻酔を用いて陣痛による子宮や骨盤の痛みを“和らげる”分娩方法です。
お産の時は、自然分娩と同じように陣痛に合わせていきむこともできます。また、出産直後の赤ちゃんを抱っこすることも可能です。
掖済会では個人差のある痛みに向き合って、的確に対処できる体制を整えることにより、安全で安心なお産をサポートいたします。
無痛分娩の特長
分娩中の痛みが
確実に軽減される
想像できる最大の痛みを10点、全く痛みのない状態を0点としたら、0〜2点まで減る方が多いです。そのため「前回のお産がとても辛かった」「初めてのお産で痛みが不安」という妊婦さんでもリラックスして出産できます。
赤ちゃんへのお薬の影響は
ほとんどありません
硬膜外麻酔は全身麻酔とは違い、母体の麻酔薬の血中濃度は非常に低く、点滴薬や吸入薬と違って赤ちゃんへの麻酔薬の影響はほとんどありません。
母児のストレスが
抑制される
無痛分娩により痛みが緩和されることで、母体の循環、呼吸が安定し、ストレスも軽減されます。
疲れにくく
産後の回復が早い
長い時間を要する出産でも、痛みが少ないため体への負担が減り、母体の体力を長時間維持できます。産後の回復も早いので高齢出産の方も向いています。
帝王切開になっても安心
帝王切開になる可能性はどんな妊婦さんにもあります。無痛分娩中であればそのままスムーズに手術用の麻酔へ切り替えられるので、母児の安全性が上がります。
産後の処置が痛くない
分娩後の処置もほとんど痛みを感じません。
無痛分娩を希望の方へ
ご確認とお願い
- ● 原則としてご主人さまの立ち会いが条件となります。
- ● 希望される方は、32週までに早めに直接医師に申し出てください。また、ご主人さまにも無痛分娩についての説明を聞いていただきます。
- ● 妊娠や分娩の経過によっては、無痛分娩を中止することもあります。
無痛分娩入院に関する取り決め事項
- ① 妊娠37~40週を目安にした計画的なお産です。医師が説明した上で、同意書を提出していただきます。
- ② 入院日を状況によってあらかじめ決定し、必要に応じ子宮口を広げる処置を行います。その後、陣痛誘発剤の点滴静脈注射で陣痛を起こし、分娩を進めます。
- ③ 入院予定日より前に陣痛発来や破水をした場合には、可能な限り対応いたしますが、無痛分娩は行えないこともあります。また、夜間・休日に分娩が開始した場合には、無痛分娩は原則行えません。
- ④ 分娩後の入院期間は通常と変わりません。
無痛分娩の注意点
痛みが軽減するほど陣痛も弱くなりますので、お産の平均時間が長くなります。
したがって最終的に吸引分娩になることが多くなります。
しかし、帝王切開になる確率は自然分娩と変わりません。
また麻酔薬による赤ちゃんへの直接の影響はありませんが、
分娩時間が長引くことによる赤ちゃんへの負担が生じることはあります。
お産への影響
無痛分娩では赤ちゃんを押し出す力が弱くなり、お産の時間が長くなるため、陣痛促進剤を持続的に使用します。また、生まれるときに吸引分娩となることが自然分娩よりも多くなります。
麻酔による影響と合併症
硬膜外麻酔中は血圧が下がったり、足に力が入りにくかったり、尿意を感じにくくなります。局所麻酔薬が脊髄くも膜下腔に入ることによる全脊髄くも膜下麻酔と血管内に入ることによる局所麻酔中毒については、すぐに対応する必要があります。これらを予防、対応するために、麻酔薬の少量分割投与と定期的な麻酔効果のチェック、および緊急薬剤や物品の完備を徹底しています。
以下の場合は無痛分娩ができない(または途中で中止する)ことがあります
- 1. 赤ちゃんの元気がないとわかっている場合(または途中でわかった場合)
- 2. 前期破水や発熱状態など感染の疑いがある場合
- 3. お母さんの体力の消耗や脱水がひどい場合
- 4. 検査の結果、血小板が少ないなど出血しやすいと思われる場合
- 5. 一部の心疾患(大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症)がある場合
- 6. すでに子宮口が全開して分娩が進行している場合(医師と相談が必要)
- 7. もともと腰痛がひどい場合(医師と相談が必要)
- 8. 太りすぎや腰骨が曲がっているなどによりカテーテルが挿入できない場合
- 9. 入院予定日より前に破水・陣痛発来など分娩が開始してしまった場合
- 10. 合併症などを十分に理解せず、事前に承諾書を提出して頂けない場合
無痛分娩の流れ
開始時期
入院翌朝より、陣痛誘発剤で陣痛を起こします。陣痛が規則的になってから、子宮口が3~5㎝開大し痛みの自覚がはっきりしてきた頃から開始することが多いです。
姿勢の取り方
ベッドの上に座り、背中を丸めます。
自分のあごを胸に、膝をお腹につけるようにして、お腹を引っ込めるイメージです。
カテーテルの挿入
硬膜外腔と呼ばれる場所にカテーテル(細い管)を挿入し硬膜外麻酔を始めます。
©日本産科麻酔学会
薬を使い始めて30分ほどで痛みが和らいできます。
その後は分娩経過にあわせて薬を調整します。
定期的に麻酔効果のチェックや血圧測定をします。
- ● 無痛分娩中は自然分娩と同じく絶食としていますが、水分は取ることができます。
- ● 効果が不十分なときはカテーテルを入れ直すことがあります。
掖済会だからできること
2010年からは当院の麻酔科医師主導による、より質の高い無痛分娩が可能となりました。
掖済会では的確に対処できる体制を整えることにより数少ない実施病院として無痛分娩を行っております。
専門の麻酔科医による
管理体制- 01
日本では数少ない産科麻酔専門施設でトレーニングを受けた麻酔科医が管理しています。
専門の麻酔科医が無痛分娩に関わるスタッフの手技指導をおこなっております。緊急時の対応にも万全の管理体制を整えております。
総合病院ならではの
安全性と快適性- 02
産科医、麻酔科医、助産師以外に、小児科医、内科医全員で万全の体制を整えています。初産婦さんはもちろん、高血圧や糖尿病、甲状腺の病気などの持病がある妊婦さんでも無痛分娩を受けることができます。
※最終判断は麻酔科医がします。
安心・安全な分娩を行える
助産師が9人在籍- 03
安全・安心な分娩を行う能力を評価する、(財)日本助産師評価機構の助産実践能力習熟段階 CLoCMiPレベルⅢに、当院も9人が合格し活躍しています。
日々、助産師が主体性と責任をもって医師と協力し安全な分娩介助を行っています。
初産婦でも可能
- 04
出産経験の有無に関わらず、硬膜外無痛分娩を受けることが可能です。
安全な提供体制
- 分娩に関連した急変時の体制
常勤産婦人科医師はすべてJ-CIMELS(母体救命)のベーシックコース、NCPR(新生児救命専門)のコースで認定されている医師です。 - 危機対応シミュレーションの実施歴
2018年3月からJ-CIMELS(母体救命)のベーシックコースを開催しています。
毎月第4水曜日朝に産婦人科病棟で新生児救命シミュレーションを実施しています - 無痛分娩麻酔管理者 近藤 勇人(日本麻酔科学会認定麻酔科専門医 / 麻酔科標榜医)
JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)当院の情報 - 日本産科婦人科医会偶発事例報告:参加(報告事例無し)
妊産婦死亡報告事業:参加(報告事例無し) - 2018年厚生労働省が出した「無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提言」という厳しい基準を満たしています。
- 分娩件数
- JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)
https://www.jalasite.org/ (当院掲載ページ)